「オ・プティ・マタン」武井シェフによる講習会
2013年 09月 20日
「Sweets Pleaseでの定例浅草橋講習会の9月は
「オ・プティ・マタン」の武井シェフでした。
シェフが現在、こだわりを持っていらっしゃるのが、
以前、ブログでも紹介したように、粉類を焼いてから使うという事。
そんなシェフに教えて頂いたのは…
「 ガレット デ ロワ 」
ロースト小麦粉を使った、独特の折り方で作るフィユタージュの生地に
やはり、ローストアーモンドパウダーを使ったクレームダマンド
そして、12分立てにしたホイップクリームの軽やかさ
こんなにも、コクがあるのに軽い「 ガレット デ ロワ 」 は初めてでした。
「 パリブレスト 」
形がとてもキュートです。
ムスリーヌのクリームを作る際に使う、
クレームパティシエールにもロースト小麦粉を使用。
漉さないのにも関わらず、
軽くとても滑らかで口に含むと
ふわっとクリームのコクが拡がる、
クレームパティシエールは驚きの「目から鱗」の炊き方でした。
3品目の「 タルト ノスタルジー 」 は
シェフがスイスで修行していた時の想い出のお菓子。
スイスのヴォー地方の伝統菓子で、シェフのスペシェリテ。
ザクザクタルト生地に、材料を合わせて、サッと煮立たせたら
生地に流し込んでこれまた、サッと焼いたミルキーでプルプルのアパレイユ。
出来上がりの表情が一つとして同じものが出来ない材料として
使われているシナモンが
ミルキーなアパレイユをキュッと引き締めるアクセントになっています。
まさに、「 Simple is best 」 が ピタッとくるお菓子です。
シェフのお話通り、
色合いはとても地味なものでしたが、それだけに味わい深く、
シェフの想いが、「ギュッ!」と詰まった3品だったと思います。
「 トンネルを抜けるとそこは雪国だった 」 と言う
川端康成の一節がありますが
武井シェフのHPでは、
「 トンネルを抜けるとそこは南仏だった 」 と記されています。
「 どうして、都心からそんなにも離れた所に
お店をお出しになられたのですか?」 の質問に
「 人を含む周りから惑わされずに、
自分の思うことをしたかったから 」 と言う答えと共に
「 多分、このような材料や、
作り方をしているシェフは他にはいないと思う。」 と言う言葉から
昔気質の職人さんを思い出した私でした。
by serendipity-vivi
| 2013-09-20 03:41
| 浅草橋定例講習会